Go Calc
価格: 700円
バージョン:1.8.0
自分で計算式を作り登録、複雑な計算も簡単に値を代入して計算する事が出来る、他人任せにしない男気のあふれた計算アプリです。
前のブログで解説 したのですが、バージョンもアップしたので造り直しました。
1.基本的
Go Calcを起動すると、フォルダー画面が出てきます。ここで自分でフォルダーを作って管理する事が出来ます。
1)「+」は新しい式を追加します。これを押すと、必ず計算式の場所が作られてしまいますので、間違った場合は「Edit」で削除しましょう。
新規フォルダーの作成は「Edit」ですので間違えないように。
2)「Edit」はフォルダーの編集で、
新規作成(New Category)、削除(「-」を押します)、
順番の入れ替え右端の三本線を押しながら移動)、
既存のフォルダーの名前と場所の変更(フォルダーを押すと、名前の修正欄と「Move to...」が出てきます。「Move to...」でフォルダーの階層を変えられます)
などが可能です。
3)右下の取り出しマークは、式の読み込みや書き出しをWifi経由で行うことができます。また、Helpを見ることができます。
これら3つは計算式の選択画面でも同様で、計算式の移動もフォルダーと同じです。
2.初期設定
iPhoenの「設定」にGo Calcの設定があります。
○General
Start in home category:onにすると、最後に利用したの場所を記憶せず、常にホームカテゴリーで開くようになります。Offがお勧め。
○Layout
Result first: 結果の欄が最初に、変数の入力欄が結果の後になります。私はonにしています。
Always Show Sliders:変数入力のスライダーを表示します。私はスライダーの入力はしないので、offにしてます。これは個々の変数でon/offが可能です。
○Import/Export
Authenticate:Wifiで式を保存や読み込みするときにパスワードを要求するかの設定です。その下のUsernameとPasswordで設定した値を要求します。私はoffしてます。
○Number Format
scientific notation(浮動小数点表記) とRight Align(右よせ)ですお好みで。
3.計算式の作成
実際に計算式を作成しながら解説しようと思います。
作成するする計算式は、
成人eGFR(推算糸球体濾過量)
で、血清のクレアチニン値と年齢および性別から腎臓の機能を推定するものです。日本腎臓学会より2008年3月に発表された推算式です。
eGFR(男) = 194 * Scr^-1.094 * age^-0.287
eGFR(女) = eGFR(男) * 0.739
(age:年齢、Scr:血清クレアチニン値、^:べき乗、単位:ml/min./1.73m2)
注意:免責
私はこの計算式による計算結果にたいしていかなる責任もおいません。くれぐれも今回の式の結果は他のソースで確認してから使用してください。
1)計算式を格納したいフォルダーを選び、「+」を押して式を作成します。
始めに、式の名前と注釈です。
画面のとおり、日本語は使えます。実は変数(Variable)でも日本語は通りますが、やめた方がいいと思います。ホルダーの名前と計算式の名前だけにしましょう。ノートに書いたものは、式の名前を押した時にメッセージとして現れます。
計算式の名前を「eGFR」にしてセーブすると、下の様な画面になります。
(この場合、設定で「Result First」にしてあります。)
2)始めに、「Add Variable」を押して変数を定義しましょう。
この場合の変数とは、「計算するために入力する数字」のことです。
下が変数の編集画面です。
名前と「Decimal」(小数点以下の桁数)を設定しましょう。
血清クレアチニン値ですから、「1」でいいでしょう。
「MinとMax」は式が出来たときに値を入力する「スライドバー」の最大値と最小値の設定です。私は使わないので設定しません。
「Prefix」は入力した数値の前に付ける言葉。「Suffix」は後に付ける言葉です。「Suffix」に単位を入れましょう。
変数は前述の通り、日本語だろうが何だろうが設定出来てしまいます。ただし、あとで計算式に組み入れますので、日本語の変数名や間にスペースを入れる(Body massとか)、特殊文字を利用するのはやめましょう。
今回はsCr、Ageの2つの変数を定義しました。
sCr、Ageには単位記載しています。
今回は簡便にするために、計算結果を男性用、女性用の二種類作り、同時に計算させて必要な方を見るようにします。
もっとスマートに、性別の項目を作り結果を一つにすることも可能ですが、今回はやめます。やりたい方は終わりのTIPSの項目に記載しましたので、参考にしてください。
3)変数を設定したら、今度は「Add result」で計算結果を示す変数を指定します。
キーボードの上のタプは入力支援のためのもので、「Variables」「Results」は変数や結果をコピペできます。
この際注意すべきは「日本語キーボードで入れた場合は四則演算記号などの変換を確定しておく」事です。USでやれば問題ありませんが、日本語でやると、思った所に変数がコピーされません。
「Functions」は関数の入力です。色々ありますので、解らなければ「?」を押してみてください。各々の説明を見る事が出来ます。
今回はまず「eGFRm」(男性の場合のeGFR)を作成します。
各欄は、変数の説明と一緒です。
「decimal」は「1」にします。
「Edit Formula」を押すと計算式を記載できます。「結果=変数1/変数2+変数3」なら「変数1/変数2+変数3」の部分だけ記載します。
ここには計算式を記入します。
194 * Scr^-1.094 * age^-0.287
ですね。終わったらセーブします。
次に、女性の場合の計算式を作ります。「Add result」で「eGFRf」を作成し、「eGFRm」と同様の設定にします。
「Edit Formula」には以下の式を記載しますが、「Result」タブを押すと、先ほど作った「eGFRm」が出てきますので、それを使って入力してください。
eGFRm * 0.739
これで完成です。
計算してみてください。
4.計算式のバックアップおよびインストール
Import/Exportを押すとこんな画面になります。
iPhoneが無線LAN(Wifi)で接続されていれば、「http://10.0.1.5:10000」みたいな数字が出てきますので、それをInternet ExprolerやSafariなどのブラウザーに入力します。
するとGo CalcのImport/Export画面が出てきます。
あとは書いてるようにすれば、式のバックアップやインポートができます。
5.Tips
1)if(式,true,false)構文を使う
FunctionのLogicalにif構文があります。これを使うとかなり計算式の幅が広くなります。
使用法は一般のif構文と変わりありません。
例えば、先ほどのeGFRの場合、変数にGenderを作り、男は1といれてもらえば、
if(Gender=1,194 * Scr^-1.094 * age^-0.287,194 * Scr^-1.094 * age^-0.287* 0.739)
とやれば、男女別を作ることができます。
ただし残念なことにGo Calcでは、変数に文字列を代入することはできないようです。
if構文は複数の階層で使用可能です。
if(a>10,1,if(a>=5,2,3))
などが作成できます。
2)Go Calcでは変数や結果に文字列は使用できないようです。
ただし、唯一可能な方法があります。
「?変数:条件=文字列,条件=文字列,...」
の構文です。元々入っているBMIの式を参考にしてみてください。
3)バージョン1.8.0から、結果を隠すことができます。Resultの設定画面の「hide」です。これにより、結果を変数代わりに使えるようになりました。
4)計算式を記載する場合、スペースは必要ありません。
5)変数などを編集していると、編集を終えて式の画面になった時に、たまに「add variavles」などが消えた画面になってしまうことがあります。
このときに、右上の「done」を押すと必ずアプリが強制終了し、前の修正が消えてしまいます。
バグですが、フォルダーの画面にしてあげると回避できます。